Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

仮想デスクトップとは?メリットと実現方式、Azureにおける仮想デスクトップの概要を解説

Category: 入門編

2021.12.17

テレワークはどのように実現する?セキュリティ向上につながる方法を解説

コロナ禍によりテレワークが一般的になってきています。テレワークを実現するために仮想デスクトップという技術を導入した企業が多いですが、仮想デスクトップとはどのようなものかご存じでしょうか。

仮想デスクトップとは、離れた場所にあるサーバー上で仮想的な PC 環境を生成し、オフィス以外でも業務できるようするための技術です。

本記事では、仮想デスクトップの概念、メリット、実装方式や、Azure で仮想デスクトップを実現するためのサービス、Azure Virtual Desktop について解説します。

1. 仮想デスクトップとは

仮想デスクトップを採用する企業が増え、働き方改革への対応が進んできていますが、仮想デスクトップとはどのような技術なのでしょうか。まず、仮想デスクトップの概要、実現方式について解説します。

1.1 仮想デスクトップとは

仮想デスクトップとは、仮想化ソフトウェアなどを利用してサーバー上に複数の仮想マシン(仮想 PC )を稼働させ、そこで利用者ごとに仮想的なデスクトップ環境を動作させる技術です。テレワークを実現するための技術でもあり、利用者は、リモートの環境から仮想デスクトップにアクセスして業務を行うことができます。VDIDaaS など複数の実現方式があり、それぞれメリット・デメリットが存在します。

1.2 仮想デスクトップの実現方式

代表的な仮想デスクトップの実現方式は下記の通りです。

  • VDI 方式(仮想 PC 方式)
  • SBC 方式
  • DaaS 方式

1.2.1 VDI 方式(仮想 PC 方式)

VDI( Virtual Desktop Infrastructure )方式とは、サーバー上で仮想化されたデスクトップ環境を生成し、クライアント側に画面を転送する方式です。クライアント端末側では、サーバーから画面を受け取り表示し、キーボードやマウスによる操作を行います。環境が独立しているため、個々のユーザーは独自に設定できる自由度が高いメリットがある一方、必要なサーバーリソースが多くなるというデメリットがあります。VDI を実現する代表的な製品に VMware 社の VMware Horizon があります。

1.2.2 SBC 方式

SBC( Server Base Computing )方式とは、1 つの OS、アプリケーションを複数のユーザーで共有して利用する方式です。ユーザーはネットワーク経由でサーバーにアクセスして OS とアプリケーションを共有して利用します。VDI とは逆に、複数のユーザーで共有するため柔軟性に欠ける点がデメリットですが、VDI 比べて 1 台のサーバーでサービス提供可能なユーザー数が多く、安価に実現できるというメリットがあります。SBCを実現する代表的な製品に、Citrix 社の Citrix Virtual Apps(旧 XenApp )があります。

1.2.3 DaaS 方式

DaaS( Desktop as a Service )方式とは、クライアント端末がアクセスするサーバーが、オンプレミスではなくクラウド上に用意されており、それをクラウド事業者がサービスとして提供しているものです。アップデートなどのメンテナンス性と設定の自由度に関してはクラウド事業者のポリシーにより制約を受けますが、サーバーの構築や管理を行う必要がないため、コストメリットや運用保守の効率で優れています。DaaSの代表的なサービスとして、Amazon WorkSpaces や、本記事で解説するAzure Virtual Desktop などがあります。

2. 仮想デスクトップのメリット

多くの企業が採用している仮想デスクトップですが、具体的にどのようなメリットがある技術なのでしょうか。仮想デスクトップを利用するメリットには下記のようなものがあります。

  • セキュリティの強化
  • テレワークによる働き方改革の実現
  • 端末管理業務の効率化
  • BCP対策

2.1 セキュリティの強化

仮想デスクトップを導入することにより、社内のセキュリティ強化が可能です。一般的に、仮想デスクトップへの接続は、ハードディスクを持たないシンクライアントか、データ漏洩対策が施されたセキュア FAT 端末を利用し、重要なデータは社内ネットワーク内にて管理されます。そのため、端末に対するサイバー攻撃や、盗難・物理的な破壊、従業員の悪意による情報漏洩の防止につなげることができます。

2.2 テレワークによる働き方改革の実現

仮想デスクトップは「働き方改革」の実現手段のひとつと言えます。インターネットさえあればどこからでもデスクトップへアクセスできるようになるため、場所を選ばず業務が可能なテレワークを実現することができます。

2.3 端末管理業務の効率化

仮想デスクトップの導入により、煩雑な端末管理業務からも解放されます。例えば OS のアップデートやOS・ソフトウェアの資産管理作業などを個別の端末ごとに行うのではなく、サーバー上で一括管理できることから、管理者の作業負担軽減につながります。

2.4 BCP対策

仮想デスクトップはテレワークの実現手段のひとつです。大規模災害発生時やコロナウイルスなどによるパンデミックの発生時にも、オフィスへ通勤することなく自宅等で業務継続が可能となります。

3. Azure Virtual Desktopの概要と料金体系

仮想デスクトップ環境を構築するにはさまざまな方法があります。ここでは、マイクロソフトのクラウド「Azure」で簡単に仮想デスクトップを構築するためのサービス、Azure Virtual Desktopの概要と料金体系について解説します。

3.1 Azure Virtual Desktopとは

Azure Virtual Desktop は、Azureクラウド上に用意されたVDI(仮想デスクトップ)環境をサービスとして提供するDaaS型のサービスです。以前は「Windows Virtual Desktop」という名称でリリースされていましたが、2021年6月にブランド変更によりAzure Virtual Desktopに改称されました。

Azure Virtual Desktopの大きな特徴としては、Windows10マルチセッションに対応していることです。Windowsマルチセッションにより、1つの仮想PCの中で、複数のデスクトップ環境を生成することが可能となっています。

3.2 Azure Virtual Desktopの料金体系

Azure Virtual Desktopを利用するには、下記のライセンスが必要となります。

Windows10またはWindows7ライセンス
Windows 10 Enterprise E3およびMicrosoft 365 Business Premium以上のライセンス
Windows Serverライセンス
ユーザーごとまたはデバイスごとの RDS CAL ライセンス (アクティブなソフトウェア アシュアランス (SA) 付き)

また、上記ライセンスを持たない外部ユーザー向けに、ユーザー単位の月額料金オプションも導入されています。なお、Azure Virtual Desktopを利用するためにはAzure Virtual Machines(仮想マシン)やストレージなどのインフラが必要であり、それらは個別に課金が行われます。

4. まとめ

コロナ禍によりテレワークが急速に浸透しています。テレワークの本来の目的は、自社のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を見据えた、生産性向上や働き方改革の実現を目的とした技術です。

Azure では、Windows 365 や Active Directory などマイクロソフト製品・サービスと相性の良い DaaS、Azure Virtual Desktop を提供しています。自社の DX を見据え、仮想デスクトップやテレワークの導入を検討してはいかがでしょうか。

Free

資料ダウンロード

課題解決に役立つ詳しいサービス資料はこちら

資料ダウンロード
  • <VDI 導入ガイド> 安全なリモートワークを実現!Azure Virtual Desktop と AWS WorkSpaces の比較表・価格例付き!

    本資料を読むことで、VDIの概要や導入時の注意点、代表的な DaaS である AWS WorkSpaces と Azure Virtual Desktop の違いを押さえることができます。

  • Azure導入支援・構築・運用サービス総合カタログ

    Microsoft Azure サービスの導入検討・PoC、設計、構築、運用までを一貫してご支援いたします。
    Azure導入・運用時のよくあるお悩み、お悩みを解決するためのアールワークスのご支援内容・方法、ご支援例などをご確認いただけます。

Azure Virtual Desktop(旧:Widows Virtual Desktop)導入時のポイントを見る

Azure構築サービス

Azure Virtual Desktop を導入したい

柔軟な働き方を支え、端末紛失などのセキュリティリスクを低減できる仮想デスクトップ環境を構築する際のポイントを見る。

Azure構築サービス

Azure Virtual Desktop から社内システムへアクセスしたい

社内システムとシームレスに接続できる、仮想デスクトップ環境を構築する際のポイントを見る。

Azure導入個別相談会(無料)

Tag: Azure Virtual Desktop 仮想デスクトップ

Contactお問い合わせ

お見積もり・ご相談など、お気軽にお問い合わせください。

single.php